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地下鉄七隈線が開業 松本組は天神工区、橋本車両基地軌道工事などを担当

福岡市の都心と西南部地域を結ぶ福岡市地下鉄3号線(愛称:七隈線)12キロが2月3日、開業しました。七隈線は1996年に着工し、開業までに8年を費やして竣工。西区橋本−天神南間を24分で結びます。松本組は天神南駅を含む天神工区や、橋本車両基地の軌道工事などを担当しました。福岡の新動脈として走り始めた地下鉄七隈線の魅力を特集します。
天神南駅で優しく温かい地下鉄を実感
開業に先立ち、工事関係者を招いて行われた試乗会。久々に地下へ降りると、そこには、天神の新しい顔となった天神南駅がまばゆいばかりに輝いていました。自然光が差し込み、間接照明が多用された階段は、気持ちが安らぎます。七隈線はどの駅も自然光を取り入れているそうです。出入口や券売機のサインもわかりやすい。七隈線のイメージカラーである“緑”が効果的に使用されています。七隈線のコンセプトは“ヒューマンライン”。人に優しい地下鉄を目指して、日本で初めて車両と駅が一体的に設計され、バリアフリーやユニバーサルデザインの思想がいかされています。例えばエレベーターは駅の中央に設けられ、降りたところのホームに停まる車両は車いすスペースをそなえているという徹底ぶり。車両とホームのすき間はわずか5センチ、高低差は5ミリでほぼフラット。車いすやベビーカーも抱えずに、そのまま乗り降りできるというわけです。もちろん、視覚障害者や子どもたちの安全対策としてホームドアがすべての駅に設置されています。自慢の多機能トイレは“みんなのトイレ”とよばれ、交通局が障害を持つ人たちと意見を重ねながら考案したといいます。車いす利用者や人工肛門(オストメイト)、妊婦、高齢者、乳幼児を連れた人などが快適に利用できるよう、手すりはもちろん介助用のベッドまで備えられたトイレが男女共2カ所ずつ、すべての駅に設置されています。
九州初のリニアモーターで静かに走る
天神南駅の見学を終え、いよいよお待ちかねの七隈線初乗り。丸みを帯びた先頭部分が特徴的な車両に乗り込む。噂どおりコンパクトなボディ。でも、荷棚と中吊り広告がないので圧迫感はありません。座席の下がオープンで荷物も置け、車両と車両の間もガラス扉なので開放的です。走り出した車両の第一印象は “静か”ということ。地下鉄というと、走行音がトンネル内に反響し、カーブでは車輪のきしむ音が気になりますが、七隈線の車両は二重のガラス窓や制振材によって騒音が気になりません。これには九州で初めてという鉄輪式リニアモーターの導入によるところも大きいようです。七隈線は駅と駅の間隔が短く、急カーブやアップダウンが多いのですが、リニアモーターが発生する磁力で車両を引っ張るので、走りがスムーズでした。ところでこの七隈線、運転席に乗務員がいますが、運行はすべてコンピュータ制御。大名にある交通局の運転指令室でコントロールされているというからすごい。また、運転席と客室に仕切りがなく、進行方向の景色(といってもトンネルの中だけど)が見えるのと、車両後方の運転席には座れますが、これは全国の地下鉄で初めての試みということです。
※鉄輪式リニアモーターシステムとは
リニアモーターとは磁石が吸引・反発する力を利用した直線(リニア)状のモーターのこと。列車の屋根にあるパンタグラフから送られる電気がリニアモーターに伝わり、軌道の間に敷設したリアクションプレートとの間に発生する電磁力によって走行する。車輪は動力を伝えるのではなく、車体を支えているだけなので急こう配でもスリップすることはない。車両自体も従来のモーターを必要としないので、コンパクトにでき、トンネル断面も小さくて済むため、工事費の削減にも貢献している。
市民に開放された親しみやすい車両基地
室見川のすぐそば、まわりには緑が広がり、脊振山系も見渡せる自然豊かな場所に誕生した橋本車両基地。ここが七隈線の車両がしばし休憩するところです。この車両基地内及び橋本−梅林間の軌道工事を松本組が施工しました。車両基地の役割は、車両の洗浄や留置のほか、七隈線が安全・快適に運行できるよう、車両の検査・整備、線路や電気設備の管理を行ないます。施設は環境に配慮した工夫が多く、太陽光発電や雨水の有効活用などが特徴です。


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